フィリピン人女性と日本人男性

2015-07-07

フィリピン人女性X(当事務所の依頼者)は、日本人男性Y(当事務所の依頼者)と知り合い、2012年より同居を開始し、2013年9月、都内でYとの子Zを出産した。Yは、Zの出生前に、(胎児)認知届を届け出たが、民法772条(妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子を推定する)を理由に、不受理となった。Xは、Yとの婚姻のため、フィリピンから独身証明書を取得しようとしたところ、フィリピンにおいて、Xと日本人男性Aとの婚姻が登録されていることを知った。Xは、Aという男性を全く知らず、フィリピンにおいて、別の女性がAという男性と婚姻する際に、名前を使われていたのであった。
2013年12月、家庭裁判所にZを申立人、Yを相手方とする認知調停を申し立て、ZとYの親子関係を示すDNA鑑定報告書を提出し、Xは、懐胎時期より前から、Yと同居し、Y以外の男性との交際がないことを述べたところ、2014年1月、ZがYの子であることを認知する旨の審判がなされた。XとYが、この審判と審判の確定証明書を戸籍窓口に追加提出したところ、従前Yが届け出て、不受理となっていた(胎児)認知届が遡って受理され、Zの戸籍や住民票が作成された。(13-167)
前述のXは、偽名「N・J」を使用し、日本人男性Cとフィリピンにて婚姻し、Cの配偶者として、「日本人の配偶者等」の在留資格を得て、日本に滞在していたが、Cとは同居していなかった。また、Cとは、2013年1月、協議離婚をした。2014年4月、「N・J」に対する呼出状が届き、同月、違反調査が開始された。Xは、入管の違反調査にて、「N・J」が偽名であること、Yと同居し、Yの子であるZが生まれ、Zの養育に専念していること等を供述した。その結果、2015年7月、「定住者」(1年)の在留特別許可が認められた。(14-019)

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